お部屋探しガイド再録
【第6回その2】お部屋探しの基本をおさえよう!
それじゃあまず、保証会社さんが何をする会社さんなのかを解説しようかな。
「家賃保証会社」「保証人代行会社」「保証人不要システム」など、会社によって呼び方が違うことはあるけど、基本的には同じです。
つまり、賃貸の契約の時に必要な連帯保証人を代行するのが保証会社さんなのです。
「れんたいほしょうにん」?
そういえば、もふ子ちゃんともふ太郎君のお話の中でさらっと出てきたような…。
そうそう。
連帯保証人は賃貸契約について、契約者以外に責任を持ってもらう人のことだね。
多くは契約者さんの親御さんや親戚の方にお願いすることになるよ。
じゃあ、もふの場合は森下さんだね!
でも、連帯保証人さんは何をすればいいの?
(・・・あれ? そう、なの、か・・・?)
メインは、契約者本人が病気などで家賃を支払えなくなってしまったときに、連帯保証人が代わりに家賃を払うという役割があります。
そのため、連帯保証人は定収のある方でないとなれないことが多いです。
そうなんだ! 家賃を払ってもらうなんてごめんね、森下さん・・・。
いや、家賃滞納を前提にしないでちゃんと自分で払ってくれッ!
保証会社さんは連帯保証人を代行してくれるんだよね!
それって、もふの親代わりになってくれるっていうこと?
さすがにそこまではしてくれないよ・・・。
保証会社さんと事前に契約しておくと、万が一家賃が払えなくなった場合に保証会社さんが立替払いをするんだ。
もちろん、立替払いをしてくれた分はあとで自分で払わないといけないよ。
しかもこの時に立替手数料なんかも発生してくるので注意!
なるほどー!
じゃあ森下さんに家賃を払ってもらわなくっていいんだね! 良かったね、森下さん!
さっきのツッコミは聞こえなかったようだね・・・まあ、そういうことです。
連帯保証人の場合と違って、万が一の時に親御さんや親戚の人に迷惑がかからないのが保証会社を利用するメリットの一つです。
例えば、親御さんがお仕事を引退していて連帯保証人を引受けられない!という場合でも、他の連帯保証人を探す必要がありません。
ふむふむふむ~。
そうか! じゃあどんな物件でも保証会社さんにお任せしちゃえば誰にも迷惑がかからなくってハッピーだね!
うーん、一理あるけどそれはさすがに言いすぎかなぁ。
why ?
(なんで英語・・・)
保証会社を利用する場合は利用料金がかかるからね。
もし「連帯保証人でも保証会社でもOK」という物件で連帯保証人を引き受けてくれる人がいるなら、お金がかからない連帯保証人で契約した方が良いと思うな。
◆賃貸保証会社とお金のおはなし
あ、そうか!
利用料金っていくらぐらいかかるのかな?
これは保証会社によってまちまちです。
利用できる保証会社は物件ごと(オーナーさん・管理会社さんごと)に違い、ほぼ選択の余地はありません。選べたとしても2~3社のなかから選ぶのがせいぜいかな。
料金は大きく分けて ①初回保証料 ②継続保証料 ③月額保証料 の3種類があります。
順番に説明していくね!
①初回保証料
そのまんまの意味で、お部屋の敷金や礼金と一緒のタイミングで支払うお金です。
前回もちょこっと触れたけど、ほとんどの保証会社は家賃+管理費の30%~100%という価格設定になっています。
敷金や礼金は「家賃」だけがベースなのに対して「管理費」も計算に入れます。ふしぎ!
②継続保証料
保証会社との契約は原則としてお部屋の契約とは別物です。
継続保証料はその保証契約を継続するためのお金で、「更新料」に近い性質のものですね。
この契約更新までの期間は1年ということもあれば2年ということもあります。
料金設定はこれも本当にまちまちですが、以下のようなパターンが多いです。
- 1年ごとに8,000円~12,000円が必要
- 2年ごとに家賃+管理費の●●%が必要(初回保証料と一緒か、安い水準)
ほとんどの保証会社は①初回保証料と②継続保証料を組み合わせた料金体系になっています。
会社によっては①初回保証料を多めに支払うと②継続保証料が無料、というプランもあったりします。
このプランだと初期費用は増えてしまうけど、長く住むことが決まっている場合はランニングコストが抑えられるので有利なわけですね。
③月額保証料
これはあまり多くないけど、例えば毎月家賃+管理費の1~2%が加算されて、家賃と一緒に引き落とされるというパターンです。
毎月費用がかかるので、代わりに初回保証料は安かったり無料だったりします。
クレジット会社さんなど、信販系の保証会社で導入しているとことが多い印象ですね。
ほえー、色々な種類があるんだねー!
でも、どの場合でもやっぱりお金がかかっちゃうんだね・・・。
保証会社さんも商売だから、こればっかりはしょうがないね。
でも、保証会社の普及によって、実は敷金相場が下がったっていうケースも多いんだよ。
◆保証会社で敷金が安くなる? どっちがお得?
え? なんで敷金が下がるの?
敷金は家賃が払えなくなった時、オーナー判断で家賃代わりにするっていう性質もあるんだ。
これって、実は保証会社の性質に似てるんだよね。
ホントだ!
どっちも家賃が払えなくなった時の備えになるね!
だから、以前は敷金2ヶ月だったけど、保証会社利用必須の代わりに敷金1ヶ月にしたっていう物件も多いんだ。
中には保証会社を利用する場合は敷金1ヶ月、利用しない場合は敷金2ヶ月みたいに選べるようになっているものもあるし、敷金礼金ゼロゼロの物件はほぼ保証会社利用必須なんだけど、逆に保証会社があるからこそ成り立つ条件だったりするんだ。
なるほどー! ・・・あれ?
保証会社を利用して敷金1ヶ月と、保証会社を利用しないで敷金2ヶ月ってどっちがいいのかな?
お、鋭い質問だね!
じゃあ、家賃6万円の物件の場合で計算してみようか。
話をわかりやすくするために、保証会社利用料は最もポピュラーな①初回保証料:家賃+管理費の50% ②継続保証料:1年毎に1万円という組み合わせで計算すると、こうなる。
A. 保証会社を利用して敷金1ヶ月:敷金6万円+初回保証料3万円=9万円
B. 保証会社を利用しないで敷金2ヶ月:敷金12万円
はいはい、ぴんぽーん!
Aの方が3万円安くなるね! こっちのほうがお得だよ!
うーん、残念ながら早とちり。
そうとは言い切れません。
ええっ!? どうして!!??
初期費用はもちろんAの方が安いんだけど、じゃあAプランで何年も住んだ場合、累積費用がどうなるかを見てみよう。
A. 保証会社を利用して敷金1ヶ月の累積費用
1年目:9万円+継続保証料1万円=10万円
2年目:9万円+継続保証料2万円=11万円
3年目:9万円+継続保証料3万円=12万円
4年目:9万円+継続保証料4万円=13万円
ああっ! 3年で金額がさっきのBと並んで、4年経ったらBより高くなっちゃった!
その通り。
Bは最初は高いけど、1年毎に1万円がかからないから、それ以上高くなることはないんだ。
しかも、まだもう一つとっても大事なポイントがあるよ。
ご、ごくり・・・。
(そんな大げさな話ではないんだけど・・・)
実は、保証会社に支払う初回保証料や継続保証料は、お部屋を解約するときには返金されないんだ。
なので、例えば4年目で解約した時、返ってくるお金はこうなる。
A. 保証会社を利用して敷金1ヶ月
敷金6万円が返金されるが、初回保証料・継続保証料の合計7万円は返金されない。
B. 保証会社を利用しないで敷金2ヶ月
敷金12万円が返金される。
わー! 完全に逆転しちゃうんだね!
もちろん、敷金からはクリーニング費用が差引かれるけどね。
でも、敷金を返して貰う権利(敷金返還請求権)があるのと無いのとではやっぱり違います。
じゃあ、この場合はBが正解!ってことだね。
うーん、そうとも言い切れないんだなぁ。
ちょっと森下さん・・・!
もふにいじわるしてるの? 結局どっちなの!?
ごめんごめん、いじわるしてるわけじゃないんだよ。
例えば初期費用がどうしても敷金2ヶ月分までは用意できない!という場合や1~2年後に転勤になる予定という場合なんかはAの方が総額を安く抑えることができるから、有利っていうことになるよね。
逆に初期費用は余裕をもって用意してあるとか10年ぐらい住む予定という場合ならBを選んだ方が有利になると思う。
そっか、ケースバイケースなんだね!
そういうこと!
そもそも、どっちかが絶対にお得だったら選択式にする必要もないからね。
・・・ハッ! 言われてみればそうだね!
プラン選択できない物件も多いんだけど、もし選べる物件だったらせっかくなのでじっくり考えてみるといいと思います。もちろん、永幸不動産ではプラン選択の計算もサポート!
こんな感じで、森下が作成した保証会社料金比較用エクセルシートもご用意しています。
おおー! 手作り感が溢れてるね♪
さてさて、もふのお部屋探しに戻ろうか。
おや、この物件だと保証会社でも連帯保証人でも選べるみたいだよ。
うーんとねー、それじゃあ森下さんが支払う金額が少ない方でいいよ!
やっぱり自分で払わないんかーい!!