永幸不動産にて以前より募集やご契約のお手伝いをしてきた分譲マンションにて、ハーフリフォームという新手法を使った事例です。

以前のご入居者様には20年前後もの長期間、お住まいいただきました。
しかしフルリフォーム事例の【ルラール大塚　Bタイプ】と同じく①設備や間取りの陳腐化　②原状回復の難しさ　という2つの問題が生じていました。
元の間取りは３ＤＫなのですが、少子高齢化がどんどん進んでいる現在、3部屋以上の間取りの需要は高いとは言えません。
設備も、例えばキッチンは今で言うガスシステムキッチンでしたが、給湯が「瞬間湯沸器」というタイプで使いづらく見た目もよろしくありません。
また、洗面所は風通しが悪い上に掃除のしにくい石壁だったのでカビが発生してしまっていました。

この状況ですと通常はフルリフォーム・フルリノベーションをご提案しています。
しかし300万円前後の当初ご希望予算に対し、フルリフォームの見積り金額はなんと税込みで520万円以上・・・。
かと言って、原状回復レベルにとどめたとすると今度は賃料が維持できず、将来的な資産価値・収益性に影響を及ぼしてしまいます。

そこでリノベーション専門のA.BOX工房様と「コストカットしながらも収益性を維持する」という難問に取り掛かり、編み出した答えがハーフリフォームという新手法だったのです。
これは将来的にはフルリフォームを実行することを念頭に置きつつ、優先順位の高いリフォームを先に実行、次回以降に備えるという考え方です。

この事例で優先リフォームしたのは、下記のポイントです。
◆老朽化が進んでいる給排水管の全交換
◆陳腐化が進んでいるキッチン・浴室の交換
◆サイズが小さく非常に使いづらい洗面台・洗濯機置場のリニューアル
◆防犯設備・シャワートイレの導入

キッチンや給排水管を交換するには床の解体が必要ですから、その時に一緒に３ＤＫの間取りを現在の２ＬＤＫに変更、カーペット敷きだったダイニングと和室の一つを遮音フローリング仕上げにします。
交換するキッチンや浴室、洗面台は質感の良いものを使い、次回以降のリフォームでも浮かないようにしておきます。
そしてセキュリティ設備としてモニター付きインターホンを導入、シャワートイレ設置は少しでもコストカットするため、便座は既存のものを流用しました。

上記以外の部分は原状回復レベルにとどめてコストカットします。
2つ残る和室は洋室への変更はせずにおいて、畳表替え・襖張替えを行います。
この時、写真のように畳の縁や襖の色に統一感と渋みをもたせることによって「和室のかっこよさ」を強調、優先リフォーム部分とちぐはぐにならないように工夫しています。
和室二間の２ＬＤＫは今どきでは珍しいですが、駅の本当に目の前であることと、設備のバランスを考慮して今回は賃料をほんの少しだけ査定より低くして募集することで、成約には影響がないと判断しました。

最終的には当初ご希望予算の300万円でハーフリフォームを実施することができました。
リーシングの方は、ご案内ができるようになってから最初の3連休だけで6組の方にご内見いただいて2件のお申込みが入り、非常に良い結果を生むことができました。

次回の募集では多少の手入れをして、賃料アップも十分に狙っていけると考えています。