質問箱への回答

定期借家契約の事前説明は誰でも出来る?

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ご質問ありがとうございます。 定期借家契約の事前説明に関するご質問ですね。

質問中の「重説がない場合」という部分ですが「宅地建物取引業者(不動産業者)が携わらない契約である」という解釈でよろしいでしょうか。

そうであるならば確かに、定期借家契約の事前説明の代理を依頼する際、その代理人が宅地建物取引士である必要は無くなります。

 

但し念のため、定期借家契約の事前説明は借地借家法上貸主が行うこととされていますので、説明をする方(代理人)が確かに貸主からその代理を任されていることを証するため、説明の際に委任状を提示する・あるいは事前説明書に委任欄を設けて事前に貸主から署名捺印をもらっておくなど、借主に対して代理権の説明責任は果たす必要があると考えます。

例えば下記URLの判例では、書面では「不動産会社Fが貸主代理として事前説明をする」と書かれていたのに、実際に事前説明をしたのは貸主Xの娘Aであったため、借地借家法で求められている「厳格な書面性」に欠けるとして、定期借家契約の成立が否定されています。

 

◆借主に転居を依頼し新規貸家にて締結した定期建物賃貸借契約において期間満了による建物明渡請求を棄却した事例

https://www.retio.or.jp/case_search/pdf/retio/100-136.pdf

 

また、事前説明はただ書面を交付して読み上げれば理解が得られるとは限りませんので、借主が理解できるように分かりやすく伝えなければいけないというポイントは押さえておく必要があると思います。

 

◆森下へのコメント・質問はこちらからどうぞ(質問箱)

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