質問箱への回答
特約があるのに定期借家契約の再契約を拒まれた!
ご質問ありがとうございます。
事業用定期借家契約の、再契約に関するご質問ですね。
まず、再契約をするための前提に貸主・借主の双方の合意が必要というものがあります。
一般的な契約書では「貸主・借主は協議の上、再契約をすることができる」というような書き方になっていることが多いのですが、協議が整わなかった場合は再契約は締結できず、当初の契約期間満了時点で契約は終了してしまいます。
ご質問者様の場合、契約書記載の特約がどこまで厳格な書き方をされているかにもよるのですが、ご質問文の「再契約できる」という内容のままなのであれば上記と同様の考え方で、「できる」とは書いてあっても協議が整わなければ実際に再契約するかどうかは別問題、という解釈が可能なように見受けられます。
従って、あくまでも貸主側が再契約締結を拒否し続けるのであれば、残念ながら分が悪いのではないかと考えられます。
上で言う厳格な書き方をした特約とは、例えば「貸主は、借主が契約期間中に一度も賃料滞納をせず、かつ再契約を希望した場合、再契約の締結に応じなければならない」というようなものを指します。
この書き方だと、借主が再契約を希望した場合は「応じなければならない」という貸主側の義務の意味合いを持たせているので、借主が条件を満たしていれば再契約を拒めないということになります(それでも拒むことはあるでしょうが、特約に記載している以上は容易ではないはずです)。
やや気になるのは、「建物が使用に耐えられるまで」という曖昧な条件の付け方をしている点です。
恐らくは古い建物で、貸主側はもともと建て替えを視野に入れており、建て替え計画が固まるまでの間は定期借家契約で賃貸に出して・・・という思惑があったのだと推察されます。
そして今回の再契約拒絶ですから、建て替えあるいは売買など、貸主側が何らかのアクションをとることが決まったのではないかと思われます。
そのような状態ですと、再契約拒絶している態度を改めさせるのはやはり容易ではないように思われます。
あまり前向きな回答ではなく恐縮ですが、ご参考になれば幸いです。