質問箱への回答

不動産屋さん・大家さんが賃貸物件の修理をしてくれない!

質問箱に届いた質問の画像

ご質問ありがとうございます。
店舗の設備の不具合に関するご質問ですね。

基本的な部分からですが、その不動産屋さんが大家さん(賃貸借契約の貸主)なのでしょうか。
賃貸物件の不具合修繕は、不動産屋さんを通じて手配することが多いのですが、基本的には大家さん・貸主の義務です。
不動産屋さん=大家さんではない場合、らちがあかないのであれば大家さんに直接掛け合うのもいいかもしれません。
案外、不動産屋さんから連絡を受けていなくて大家さんは何も知らない・・・などということもあります。

次に、不動産屋さんが大家さんである場合、あるいは大家さんも確かに本件を知っているのに何もしてくれないという場合についてです。
(※注意点として、以下の回答は不具合の原因が設備老朽化など、ご質問者様の責任ではないことが前提です。また、契約書に「老朽化による設備故障は借主が負担する」「借主は必要費・有益費を貸主に対して請求することができない」という趣旨の特約が入っていないことも前提とします)

上でも触れたとおり、原則として貸室の不具合の修繕義務は大家さんにあります。
大家さんに通知したのに修理してくれないのでやむを得ず借主(ご質問者様)が費用を出して修理したという場合、その費用(必要費)は大家さんに請求することが出来ます(民法608条第1項)。

なお、ご質問文についてのコメントですが、

・下の物件が居抜きだから直せない
→この言い訳の意味がイマイチ分かりませんが、下の階がどうであるかは関係なく、大家さんは直さないといけません。
必要に応じて下の階の方と連絡調整をして修理をしなければならないでしょう。

・天井のクーラーの無償使用
→例えば契約書に「クーラーを無償使用させる代わりに、他の設備の修繕費用はすべて借主が負担する」などの特約がない限り、本件とクーラー無償使用は無関係です。大家さんは直さないといけません。

そもそも、床下の水道管の破裂が原因ということであれば、大家さんやご質問者様の加入している建物保険・火災保険などである程度カバーできるはずなのですが、不動産屋さんもそこまではアドバイスしてくれなかったのでしょうか。
万一、ご質問者様が本件について保険を使っていなかった場合、今からでもダメ元で保険会社に聞いてみるべきだと思います。

さて、ここまでが民法の原則に則った回答なのですが、ご質問文を見る限り、その不動産屋さん(大家さん?)は、こういったことは分かった上で修理や修理費用の負担を拒んでいるようにも思えます。
単純にお金がない、ということなのかもしれませんが、交渉を続けても何も自体が進展しない場合は弁護士さんの業務範囲に入っていくことになります。
その場合は賃貸借契約書やこれまでにかかった費用の明細、これまでの経緯などをメモにまとめて、相談するのが良いと思います。

以上、参考になれば幸いです。

 

◆森下へのコメント・質問はこちらからどうぞ(質問箱)

最近の投稿

カテゴリー