賃貸物件にお住まいの方向け
賃貸入居中の方、火災保険活用してますか?
永幸不動産株式会社の代表、森下です。
今回のテーマは賃貸住宅用の火災保険・・・ご存知、契約時とか更新の時に15,000円~25,000円ぐらい払って2年間契約いただいているアレです。
「初期費用を浮かせるために火災保険なしにしてくれませんか?」という交渉をお受けすることが稀にありますが、火災保険未加入は絶対にやめた方が良いです。
何故か?
それを知るために、まずは火災保険の基本的な内容からご説明しましょう。
※以下、一般的な事例について述べますが、保険会社・保険プランによって内容は異なりますのでご注意ください。この機会にご自身の加入している保険パンフレットなどを見返してみましょう!
◆火災保険の基本的な内容
ご入居されている物件・・・というよりは管理会社によって保険会社・保険プランは違いますが、主にセットされている保険はどの保険会社でもほぼ同じです。一方、付帯されている特約は保険会社ごとに違い、特に賃貸向けの少額短期保険会社は、他社との差別化のために特約を日々研究されています。
さて、どんな火災保険でもほぼセットされているのが、次の3つです。
- 家財保険(災害・事故保険)
- 借家人賠償責任保険
- 個人賠償責任保険
家財保険(災害・事故保険)は文字通り、ご入居されているあなたの家財(家具・家電・洋服 etc・・・)が、火事で燃えてしまった時・落雷で故障してしまった時・水害や漏水でびしょ濡れになって使用不能になってしまった時などに、買い戻したりするためのお金が出る保険です。盗難保険がセットされていることも多いですね。
そして借家人賠償責任保険は、例えば火事を出してしまった際、大家さんに対してリフォーム代など支払うためのお金が出る保険です。マンションの1室を全焼させてしまった場合、リフォーム費用は何百万単位になりますから、この保険の金額は少額短期保険であれば1,000万円、損害保険であれば1億円ぐらいに設定されていることが多いです。
冒頭のように「火災保険なし」にしてしまった場合、万が一自分が火事を出してしまったら、何百万円単位のリフォーム費用は全額自腹です。誰も助けてくれません。これだけを取ってみても、賃貸用の火災保険に入る意味があると言えます。
そして最後の個人賠償責任保険は、例えばアパートの2階から1階に漏水を出してしまって家財をダメにしてしまった場合、その家財を弁償するためのお金が出る保険です。特に10階から1階まで縦列全滅、なんてことになったらかなりの金額になってしまいます。
◆有効活用したい特約はこれ!
賃貸向けの火災保険には以下のような保険特約がセットされていることが多いです。
- 修理費用保険特約(※修理費用保険という名前ではなく、上述の個人賠償責任保険の一部として、似たような効果が得られる場合もあります)
室内設備をうっかり・不注意で壊してしまった時、お金が出る保険です。この保険こそ、入居されている間は是非、忘れずに活用すべきです。
保障内容は保険会社ごとに異なっていて、例えば化粧ビンを落として洗面台にヒビが入ってしまったという時に修理費用が出る保険と出ない保険があります(弊社で主に斡旋している火災保険では、出ます)。
過去の事例では例えば、お風呂場で足を滑らせて転んでしまい、浴室ドアのアクリル板を割ってしまったという時に、この保険を利用したことがあります(※この事例がどんな保険でも適用されるわけではありませんので、ご注意ください)。
実際の現場画像
また、これはちょっと面白い事例なのですが、アパートの窓までツタが伸びてきてしまったので切り落としたら、誤ってTVアンテナケーブルを切断してしまったということがあり、なんと保険が利用できました(※同じく、どんな保険でも適用されるわけではありませんので、ご注意ください)。
実際のケーブル画像(これは確かに間違えそう・・・)
ポイントは室内の設備などを誤って壊してしまった時・何らかの理由で故障してしまった時に、管理会社や大家さんに速やかに申告するとともに、諦めずに保険会社に連絡するということです。特に自分の不注意で壊してしまった場合、高額な修理費用を支払わされるハメになるのではないか・・・と黙ってやり過ごしてしまいがちです。しかし退去の際に破損・故障が発覚しても、もはや保険は使えない! というケースは非常に多いです。
これ、せっかくお金を払って保険に入っているのに、もったいないと思いませんか?
◆こんな特約もあります
他に、弊社で主に斡旋している火災保険には、こんな特約もセットされています。
- ドアロック交換費用保険・・・盗難時に壊された鍵の交換代金を保障
- 臨時宿泊費用保険・・・災害等で居住できなくなった場合のホテル代等を保障
- 競売物件敷金保険・・・物件が競売にかかった場合、通常はほぼ返ってこない敷金を保障
最後の競売物件敷金保険はけっこう独特な内容で、珍しいと思います。
火災保険の手続きって「後で保険パンフレット読んどいてください。はい、書類のここにお名前書いて」という感じで流れ作業にしちゃってる不動産業者さんが多いんですが、上記の通りご入居中に活用できるものですし、お金を払って加入されるのですから、どういう時に使えて・どういうときには使えないかなど、弊社ではパンフレットや重要事項説明書を用いてきちんとご説明をさせていただいております。
この機会に、ご加入中の保険パンフレットを読み返してみましょう!
そして、なにか故障させてしまったときには正直に申告をお願いいたします・・・。
管理会社としては切実なお願いです・・・。弊社では可能であれば保険の適用も含めて対応をさせていただいておりますので、お気軽にご相談ください。