お部屋探しガイド再録

【第4回】こんな不動産屋さんにはご用心!?

 森下さ~ん!

 おや、もふ、どうしたんだい?

 あのね、インターネットで調べてたら住んでみたいお部屋があったんだ!
そういう時ってどうすればいいのかな?

 おお、そうかぁ! ・・・って本当に探してたんだ!?
よしよし、それじゃあ実際に不動産屋さんに相談してみて、お部屋を見せてもらったりすると良いよ!

 え~!!??
森下さんが案内してくれるんじゃないの!!??

 いや実は持病の腰痛が悪化してね・・・。
ああいたいいたいこれではとてもあるくことができないなぁ(棒読み)。

知り合いの不動産屋さんを紹介するから、その人に頼んでみるといいよ!
これが地図と連絡先ね。

 むむぅ、なんだか不安だなぁ。。。
まあいいや、いってきま~す!

 ・・・ニヤリ。

 

◆こんな不動産屋さんにはご用心:お問合せ編

 うーん、地図は渡されたけどいきなりお店に行くのはなんだか不安だなぁ。
よし、まずはメールでこのお部屋の事を聞いてみよう!

はじめまして、もふと申します。
インターネットに掲載されていた「もふもふマンション 202号室」を見てみたいです。
よろしくお願いします。

 よ~し、こんな感じかな?
送信~!!





~~~~~ 次の日 ~~~~~





 ま、まだ返信が来ないよぅ・・・。
おっかしいなぁ、このお店、昨日も今日も定休日じゃないはずなのになぁ・・・。

 

◆森下のこっそり解説:不動産屋さんへのメールでのお問合せ

 おはよ~ございます。(寝起きドッキリのアナウンサー風)

おやおや、いきなり困ってしまってるみたいですね・・・。
不動産屋さんへのお問合せに対して、よく聞かれるのが「メールで問合せをしたのに返信が来ない」というものです。
森下の友人や、永幸不動産のお客様の中にも他社でそういうことがあったという方がいました。

通常であれば、その日の営業時間中か遅くとも翌営業日には返信が来るはずです。
1~3月の繁忙期シーズンだとお問合せやご来店も多くなりますので、遅くなることは増えると思いますが、あまりにも返信が遅いようであれば、その不動産屋さんでのお部屋探しはやめた方がいいかもしれません。

しかし、実は意外に多いのが、

  1. お客様自身のメールアドレスに記載ミスがあり、返事が届かない
  2. 携帯メールアドレスが登録されていて、フィルターでPCメールが届かない・物件資料などの添付ファイル付きメールが届かない

というパターンです。特に携帯メールアドレスは受信側(不動産屋さん)からは添付ファイル付きが送れるかどうか分からないので、「添付ファイル受信できます/できません」を一言添えていただけると実はとても有難かったりします。

もうひとつ、今回もふの書いたメールだとちょっと内容がアッサリしすぎているかもしれませんね。

  • 家賃や設備などの希望条件
  • 希望している駅やエリア、駅までの距離(徒歩何分など)
  • 予定している引越しの時期

などをメールに付け加えて送ると、不動産屋さんとしても空室状況を返信したり内見の手配をするだけでなく、「その条件だったらこんな物件もありますよ」とか「引越しの時期が○月ということですが、その頃なら空き予定の出ているこの物件が時期的にちょうどいいかもしれませんよ」など、様々なご提案をしやすくなります。
色々書いたのに返信が来ないようだと・・・やはりやめたほうがいいかもしれません(汗)


 むぅぅ。
ずっと待っててもしょうがないや! 電話してみよう!
…そういえば連絡先と地図はもらったけど不動産屋さんの名前が分からないなぁ。


(RRRRRRRRR・・・・・・・・・)


 はい、ワルワルハウスです。

 (・・・わ、ワルワル??)
あ、あの~、インターネットを見て電話したんですけど・・・。
もふもふマンションの202号しt

 ああ~、はいはい、あれね、あれ。ありますよ。大丈夫ですよ。すぐ見れますよ。
いつお店に来ますか? 今日ですか? 何時ごろになりますか?

 え、ええぇぇっ!?
うーん、今日なら何時でも行けますけど・・・。すぐ見れるんですよね?

 ええ、ええ、もちろんもちろん。
それじゃあすぐに来てくださいね。待ってますからね!


(ガチャリ)


 ・・・ふ、不安だぁぁ。。。

 

◆森下のこっそり解説:不動産屋さんへの電話でのお問合せ

 たびたび失礼しま~す。(寝起きドッキリのアナウンサー風)
・・・徐々に雲行きが怪しくなってきたようですね・・・。

それはさておき、電話での問合せについて解説します。
メールよりもちょっと敷居は高いかもしれませんね。
しかしメールと違ってそのまま話しながら相談が出来るのがメリットです。
できれば、問合せの際には先ほどのメールの場合と同じように希望の条件やエリアなどを伝えると不動産屋さんも色々教えてくれると思います。
もふは相談する前に押し切られてしまったようですが・・・。

但し、今回のもふのようにろくに話も聞かずに「とにかく店に来てください!」という不動産屋さんには気をつけた方がいいと思います。

不動産屋さんのお仕事の性質上、実際にお店に行って物件の紹介をしたり、物件までご案内をしたりしないと話が進みません。
そのため、不動産屋さんは「とにかく店に来てください!」という方向に話を持っていきがちなのです。

しかしこれだけIT技術が発達して、メールやホームページでの物件紹介も出来るようになっているのですから、できればお店に行く前にどんな物件があるかを下調べをしてもらったり、事前に資料をメールで送ってもらったりする方が安心だと思います。
永幸不動産ではほかに、物件の最寄り駅や現地での待ち合わせをご提案することも多いです。
例えば、お客様の現在のお住まいからだとお店よりも物件のほうが近いのであれば、その方が断然効率がいいですからね。

さてさて、謎の不動産屋さんワルワルハウスに向かったもふの運命は・・・。


◆こんな不動産屋さんにはご用心:店頭編

 こんにちは~、さっき電話した者なんですけど・・・。







 はいはいはい~~~!!
ワルワルハウスへようこそ!!
担当させてもらいますワルシタです!







 (怖ッ! 悪そうッ! 名前の語呂も悪ッ!)
・・・あ、あの、もふもふマンションなんですけど・・・。

 ああ、それなんですけどさっき終わっちゃったんですよ。紹介できません。

 えええぇぇぇ!!??
ついさっき電話で「すぐ見れますよ」って言ってたじゃないですか!

 ああ、そんなこともありましたっけねぇ。ウフフ。
まあでも、すぐに同じような別の物件を紹介しますから!
さあ、座って座って!

 (だ、大丈夫かなぁ・・・)


◆森下のこっそり解説:不動産屋さんへ行ったら見たい物件がもうない!?

 またまたお邪魔しま~す。(寝起きドッキリのアナウンサー風)
とうとう姿を現したワルワルハウスのワルシタさん!
いったいなにものなんでしょうね(棒読み)。

さて、これは本当に多くの方から不動産屋さんに対して寄せられるお声です。
「ネットに掲載されていた物件を見たくてお店に行ったのに『もう終了しました』と言われて結局紹介してもらえなかった!」というものです。

これについてはいわゆるおとり広告おとり物件の可能性も考えられるのですが、一概に全てがそうだと言い切れないのもまた事実です(※「おとり広告」と「おとり物件」の違いについては次の項目で書きます)。

不動産はひとつとして同じものが存在しないという特徴があるため、ほぼ全ての物件が先着順で取り扱われるという原則があります(※一部例外として新築マンション売買や公社系賃貸物件で「抽選」というケースはあります)。
実際、募集中の物件にある人が入居希望の意思表示(申込みと言います)をした場合、その方が入居するかしないかハッキリするまでは一時的に募集がストップされ、大家さんや管理会社さんの判断によっては現地へのご案内自体も出来なくなってしまいます。
「終わっちゃった(=申込みが入った)ので紹介できない」というのは、業界の原則の上では正しいことを言っているわけです。・・・それが事実であれば、ですが。

それが事実かどうか、個人であるお客様が見抜くのは極めて難しいと思いますが、いくらかの対策をとることは出来ます。

※下記の対策はあくまでも傾向的なものですので、ご参考程度にお願いいたします


①電話での問合せの場合:「ありますか?」→「あります!」が即答かどうかに注目
その不動産屋さんが直接管理をしていたり、独占で募集依頼を受けている物件でない場合、即答は出来ないはずです。
物件を直接扱っている不動産屋さん・管理会社さんやオーナー様に最新の状況を確認しないといけないわけです。
従ってこの場合「ありますか?」→「一度確認して折り返します」という会話であれば、きちんと確認していると考えられます。
もちろん、それでも嘘をつくことは出来ますが即答よりは信頼度があがります。
自社で直接扱っている物件だった場合は即答でもおかしくありませんので、即答だった時には「これはそちらの会社で直接扱っている物件なんですか?」と聞いてみるのもいいかもしれません。

②店頭でのやり取りの場合:他の不動産屋さんに確認の電話をしているかに注目
同じく、自社で直接取り扱っている物件以外は最新状況を確認する必要があります。
きちんと目の前で確認の電話をして、その上で「紹介できます」「紹介できません」という返答をしているのであれば、やはり信頼度は高まると言っていいでしょう。
さすがに最近では少ないとは思いますが、「ありますか?」→「少々お待ち下さい」→(電話はせず、バックヤードでコソコソ・・・)→「ありません」というやり取りだと要注意ですね。
最新状況確認をお客様の目の前で行わない理由はありません。

③メールでの問合せの場合:文章の細かい部分に注目
電話や店頭でのやり取りと違い、「不動産屋さんが最新状況確認をしているかどうか」が分かりづらいメールでの問合せですが、例えば単純に「ご紹介できます」と書かれているのか「先ほど確認したところ、まだご紹介できます」と書かれているのかで信頼度が多少違います。
タイミングによっては例えば「管理をされている会社さんがお休みのため、確認が取れませんでした。確認が取れましたらすぐにご連絡します」ということもあります。
ヤキモキするかもしれませんが、この場合は少なくともちゃんと確認を取っている不動産屋さんだと考えていいと思います。

 

◆参考:おとり広告とおとり物件の違いについて

厳密に定義されているものではないのですが、森下は「おとり広告」と「おとり物件」を以下のように分けて考えています。


おとり広告:物件が存在しない、取引の対象になりえない(入居中など)もの。

おとり物件:物件は存在するし現に募集中だが「パッと見の印象・条件だけは良い」シロモノで、他の物件を紹介するための踏み台にするためのもの。


後者はちょっと分かりづらいと思いますが、例えば敷金礼金ゼロ!賃料も相場より断然安い!という募集広告を出して、お客様をお店に引き込みます。

そしてお客様がその物件を見たいと言った瞬間、「実はこの物件はとにかく狭いんですよ・・・」とか「実は家主さんが厳しい方なのであまりオススメできないんですよね・・・」とか「実はこれ、事故物件なんです・・・」とかそんな話を持ち出して、その物件を全力で否定します。

しかる後に、「こちらの物件でしたら、ちょっとお家賃は上がりますがオススメですよ!」と他の物件の紹介につなげるわけですね。ここで予算が勝手に上がってしまっているわけです。

当然ですが、永幸不動産ではどちらもやっていません。

 

◆こんな不動産屋さんにはご用心:ご案内編

 さあさあこれはどうかな? 本当にオススメだよ! これしかないよ! これで決まりだよ!

 ・・・う、うーん・・・もふもふマンションより狭いし高いよぅ・・・。

 実際に物件を見てみたら考えも変わりますから! 見てみましょうよ!

 そうなのかなぁ・・・。
じゃあ、実際に見せてもらってもいいですか?

 よし決まった!
じゃあ、これが地図だから現地まで移動してきてね!
現地に着いたら電話してくれれば鍵の開け方を教えるから!
それじゃあ、お気をつけて行ってらっしゃいませ~!!

 えええぇぇぇ!!?? 案内してくれないんですか!!??

 ええ、うちはそういうやり方ですから。

 そ、そうなんだ・・・。

・・・って冗談じゃないよ! こんなの不動産屋さんじゃない!
こんなお店でお部屋を決めたくないし契約もしたくないよ!


 ・・・・・・・・。










 よく言ったね、もふ!










 えっ!? その声は!?

 ワルワルハウスのワルシタとは世を忍ぶ仮の姿・・・。
本当は永幸不動産株式会社の森下だったのさ!!

 うん、知ってた。

 ふふふ、そうだろうそうだろう驚いただr・・・えええぇぇぇ!!??

 ・・・まさか本当にあれで変装してるつもりだったの・・・?

 見破られるとは・・・成長したね、もふ・・・。

 ・・・まあいいや・・・。
それで、なんでこんなことをしたのさ!?

 いや、まあ、獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすとかそういうノリっていうか、センジンってこういう字を書くんだっていうことを今検索して知ったっていうか、チヒロじゃないっていうか・・・。

 もふは獅子じゃなくってうさぎなんだけど・・・。
・・・まあ、本当に変な不動産屋さんにつかまったんじゃなくって良かったけどね。
まさか「自分だけで行ってきてください」なんていう不動産屋さんはいないもんね!

 ・・・あ、それはいるんだよ、ホントに。

 え、あれホントなの!!??

 

◆森下の堂々解説:「飛ばし行為・飛ばし案内」にご用心

 ご案内の際に不動産屋さんが立ち会わずにお客様だけで現地へ行かせる行為を業界用語で「飛ばし行為・飛ばし案内」と言います。
不動産屋さんの業務を放棄しているというだけでなく、不運が重なればお客様自身が不利益をこうむりかねない、とても良くない行為です。
業界内でも暗黙の禁止事項とされています。物件資料に「飛ばし行為禁止」とか「飛ばし案内お断り」と書かれていることもありますね。

もし「飛ばし行為・飛ばし案内」を提案されたら、その不動産屋さんでのお部屋探しや契約は止めておきましょう。

ご案内の際の鍵のやり取りの仕方は不動産屋さんによって様々ですが、オーナー様から預かっている鍵を他の不動産屋さんに貸したり借りたりする行為は「不動産屋さん同士の信頼関係」が基礎となっています。
ご案内の際の鍵を勝手にお客様に渡してしまったり、鍵の隠し場所を教える行為はそうした不動産屋さん同士の信頼関係を破壊する行為でもあり、オーナー様からの不動産業界全体への信頼を裏切る行為に他なりません。

実は、森下の友人にも「飛ばし行為」の被害にあったという方がいまして、池袋駅でお部屋探しの相談をしていたところ、14駅先の東久留米駅まで一人で移動させられたそうです・・・。
皆様も十分に、気をつけてください。

【2018年8月追記】ホームページのリニューアル作業中に追記です!

2018年現在スマートキー/スマート案内というIoT技術が徐々に認知されてきていまして、これはお客様単独での内見を前提にしたご案内方法です。例えば、内見希望情報を登録すると、一定時間だけお客様のスマートフォンを鍵にしてお部屋のロックを解除できる・・・という使い方ですね。時代は変わるものです。

しかし! だからといって不動産屋さんが飛ばし行為をして良くなったというわけではありませんので、引き続き十分にご注意ください!


 うーん、ひどいことするなぁ。

 さてさて、それじゃあ今度は永幸不動産でもふの相談にのろうか!

 もふにとっては大幅なタイムロスをくらっただけのような気もするけど、分かったよ!

 それでは、次回は「不動産屋さんでの相談の仕方」について、解説します!

 


それじゃあ、まったね~♪

 

 

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